オーナーにビールまで貰い、海辺のテラスで晩酌する、この旅の中で一番贅沢な夜になった。
「あしたも戻って来い、釣りに行くぞ」とオーナーが言ってくれたが、明後日には日本に帰る為に
空港付近に戻らないといけから無理だと断り、今日のお礼を言って眠った。

次の日、AM6:00くらいにホテルを出発、サーキットには午前中に到着した。

広大な畑が広がる一帯に、ポツンとサーキットはあるデイトナ
を見てきた後からなのか、ここはかなり狭く感じる設備の
面では新しく感じた。


この年はCARTからペンスキーやホンダ・トヨタなどが移動して
きて盛り上がっているのかと思いきや、観客の数はかなり
少なかった。

スタート前にはドライバー、一人一人が紹介される。
M・アンドレッティとS・フィッシャーの時には一際大きな歓声
が巻き起こっていた。

高木寅之助もこのレースがIRLデビューとなり、日本テレビ
の取材も来ていた、今回は雨の心配は全くなさそうである。

この年はまだ改修前でサーキットはバンクが浅く、あまり
バトルも見る事は出来なかった。


今回はスタンドの最上部に席を取ったのもあり、サーキットが
小さい事もあり、全体が見渡せる。
この年途中で引退したM・アンドレッティの走りを見る事が
出来たのは良かった。

この年IRLデビューの高木虎之助、このレースはいまいち
の結果だったが、この後1年活躍してくれて良いレースを
見せてくれた。


レースはこの年チャンピオンに輝いた、S・ディクソンの勝利で
幕を閉じた、観客は少なかったが帰りはさすがに渋滞する
ので、しばらくサーキットの中をうろつき、車に戻った。


明日は早朝の飛行機に乗る為、マイアミ空港の近くまで戻る
フリーウェイから降りる場所がわからなかったが、運よく
無事に戻る事ができた。

スーパーで夕食を買い込んで、空港近くのモーテルに泊まる
今晩が最後の夜になる、明日はかなり早起きなので色々と
考える間も無く、すぐに寝てしまった。


次の日、朝の5時に起きて車を返却して空港に向かう
帰りはデトロイトを経由して日本へ向かう、何事も無く無事に
過ごせた安堵感と、このまま飛行機に乗っていれば日本に
着く安心感で、帰りの機内はずっと眠っていた。

成田空港に到着して、福岡までの便を待っていると、つい先日までは英語が飛び交っていたのに
それが日本語になっていたのを聞いたとき”あ〜帰って来たんだな”と感じた。

3週間ほどアメリカを旅してきた訳だが、大きな憧れを持って想像していたよりも、かなり違っていた
それまで、いわいるメイドイン・アメリカにあこがれていた、日本の大半の若者は
アメリカ=カッコイイ、日本=ダサいなどと言った考えがあるかも知れないが、それはちょっと違う
のではないかと思うようになってきた。

日本の雑貨屋などにはアメリカ小物とかよくあるが、そんな物は実際アメリカに行ってみて目にする
事は無かった、あれはただ日本人の心理を読んで作られた、メイドイン・ジャパン制のアメリカン
なのではないでしょうか?                       
                                                 =おわり=